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夜は短し歩けよ乙女
諸兄御機嫌よう。
しばし私の涙ぐましくも、奇想天外ですばらしい体験をお話ししよう。
一見すればストーカーの話にも見える、だけども一読すればそのかわいらしい世界でいてめくるめくストーリー展開に「先輩」や羽貫さん樋口くんとともに自分までもが「黒髪の乙女」との、不自然きわまりない「奇遇」の出会いを演出しようと一生懸命に七転八倒、だるまのように転がり続け、ご都合主義の神様に「なむなむ」とおまじないを唱えている、そんな「偽電気ブラン」のようなおなかの底からお花畑にしてくれる一冊をご紹介しよう。
この一冊を手にしないやからなんかは「おともだちパンチ」を愛をこめてくらわせてやる。
本屋さんはあなどれない。
いや、本好きの書店員はあなどれない。
今までAmazonでばっかり本を買ってごめんなさい。たまには本屋さんにも行くようにします。
僕はほとんど本を読んでこずに、今の映像によるエンターテインメントに慣れてしまって、エヴァンゲリオンがどうのこうのとかエウレカセブンってTR-909とかTB-303なんだぜ!とかのたまっていて、なかなか本を読む機会がなかったんだけど、この「夜は短し歩けよ乙女」を読んでどれだけ本が楽しいのか思い知らされた。
美人画で有名な竹久夢二。
そんな雰囲気を醸し出し中村祐介氏の描く表紙に惹かれて読み始めたというのがきっかけなんだけど、帯には「2007年本屋大賞2位!本好き書店員さんたちが大プッシュ!」とか、描いてあって読み始める前はなんとも思っていなかったんだけど、読み進めるうち「書店員さんすげー」とか間違ったところで感動してしまった。
内容は、もの静かで妄想家な「先輩」が一目惚れした「黒髪の乙女」の後を付け回し偶然を装って、奇遇の出会いを繰り返すという、一歩間違わなくてもストーカー。な、お話。
それでも、森見登美彦の美しくも独特の文体と「黒髪の乙女」のなんとも前向きで天然さに物語全体がかわいらしく仕上げられていて、とても楽しく読めた。
なんなら、2周目突入で物語に登場する京都の街で「先輩」のまねごとをしようかと思ったけど、どうにかその気持ちにブレーキをかけてストーカーにならずにすみました。
あまりにも物語に入り込みすぎて、「これが映像化されればいいのに」とか、「満艦飾の三階立て電車ってきっとこうだろう」とか妄想ししまっていたけど、これはこれできっと映像化はしない方がいいんだろう。
漫画やアニメ化はともかく、ましてや実写化なんてした日には森見登美彦の美しも独特の文体をとうてい表現できそうにもないし、だいたい読者それぞれの思い描くイメージを壊す事になってしまうんだろうな。
多くの本を読んでいる訳じゃないけど、ほんの少しだけ本が好きになりました。
(読めない漢字がいっぱい出てきたのは秘密です)
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