日本語の作文技術

普段、日本語を使って言葉を発しているけど、まったくもって文章には自信がなくひとたび文章をかかないといけないとなれば、ない頭を使って知恵熱が出るほど考えに考えた文章を書き上げ、いざ読み返してみると支離滅裂、意味不明な文字がそこには踊っている。

新装版 日本語の作文技術ここまで一生懸命になっているのに、どうしてできないのか。
たぶん、それはきっと、学生のときにまじめに勉強をしなかった自分の行いが現れているだけなんだろうと、憂鬱になってくるのでちょっとはましになるかと作文技術を勉強してみる。

この本は表題の通り、「作文技術」であってオリジナリティあふれるユニークで面白い文章を書くための本ではない。
だからこそ、基本的な文章としての日本語の勉強にはもってこいだろう。

本書はまず、基本的なところからはじまる。
修飾語がどの言葉を修飾しているのか、句読点はどこに打つべきなのか、意味がうまく伝わらない文章のどこが悪いのかを化学式のように例文を分解、図示してこれでもかというほどしつこく解説している。
この部分にかなりのページ数を割いていることでも、どれだけ重要な事がわかる。
それと同時に今まで句読点を意識せずに文章を書いていたかも思い知らされる。

書き言葉と話し言葉の大きな違いがイントネーションやニュアンス。口語では比較的簡単に表現できるのに対し、文章では誰が見ても同じ記号として認識されるので気をつけないと意味が大きく取り違えられてしまう。
そういったニュアンスを補うために、最近では文末の(笑)や(^_^)といったもので補われるんだけど、初版が25年以上も前に出版されているにもかかわらずまるでそのことを見越したかのようににたような事が本書で指摘されいて第八章の「自分が笑ってはいけない」はまさにこの事なんだろう。

どうにか文章をおもしろおかしく、自分が体験したおかしさを興味深さを出そうと自分が先に笑ってしまっているのである。

本書ではわかりやし例えとして落語のうまい人とそうでない人をあげているが、今の時代に言わせれば、お笑い芸人にあてはまるだろう。
世界のナベアツをお笑い好きの友達が「本当に真剣にネタを考えているってこういう事、他の若手は勢いだけでおもしろくない」と言ったのはこういう事なんだと思う。

第八章までは作文における基本的なことに終始してきたけど、第九章以降は谷崎潤一郎などの文豪などの文章を例題にし、惹き付け読ませるための文章はどういうものかを丁寧に解説してくれている。さらに記者としての経験をもとに文章を書くという責任で大事なことも書かれているので、不用意な発言でブログが炎上という今の時代にこそ参考になる一冊だとおもう。

最後に、ポリティカルマインドテストで中心よりも少し右よりだった僕には、引用されている文章や著者の主張が時々違和感を感じる事があるのはきっと、引用元が赤旗や団体機関誌だったり引用文が微妙に反資本主義っぽいのがみられるからだと思う。
(念のため僕は反左ではない。もっというなら右も左も話を聞いているとすごい面白いとか思ってしまう、というぐらい教養が低いだけ)

個人的にはそれも含めて興味深く読めたんだけど、ポリティカルな人にとっては作文技術とか忘れてしまいそうになる。

目次

  • 第一章 なぜ作文の「技術」か
  • 第二章 修飾する側とされる側
  • 第三章 修飾の順序
  • 第四章 句読点のうちかた
  • 第五章 漢字とカナの心理
  • 第六章 助詞の使い方
  • 第七章 段落
  • 第八章 無神経な文章
  • 第九章 リズムと文体
  • 第十章 作文「技術」の次に
  • <付録> メモから原稿まで
新装版 日本語の作文技術
本多 勝一
講談社
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