漂流

「国語が得意!」という人にお借りしました。
借りる時につい、

「ヘビーそうなのを読んでるんだね」

なんて言ってしまったけど、快楽主義者の僕としては心配だったんです。最後まで読めるかどうか。

漂流 (新潮文庫)まったくもって、時代物とか興味なかったんですが人に勧められたらとりあえず食べず嫌いせずに読んでみるタチなので開いてみたらおもしろかったです。というか、スゲーパワフルで興味深い。

物語は江戸時代の船乗りが「この仕事から帰ったら、あいつに告白しようかと思ってバカ騒ぎしてたら難破して無人島でむしゃむしゃ、トンカントンカン、ザパーン、おにぎりうめーけど吐いちゃったよ、でさらっと12年ぐらいぶりに帰ってみたら他の男に...」
という話。

えー、と。
こんな感じですが、物語の骨子はあってると思います。

だって、ほとんどが無人島での話ですから。


物語の起伏はそんなに多くはないけど、無人島での生活が壮絶です。
嵐のなか、船が分解しつつもどうにかたどり着いてみたら無人島なんてつらすぎます。
さらには嵐で流されて食料もほとんど無い状態で、無人島に漂着して生活なんて考えられないのにやっちゃうんです。

もちろんその間にはあまりのひどさに絶望しかかることもあったり、何人かの犠牲もあるんだけど、それさえも「生きる」執念に変えて最後には流れ着いた端材でどうにか船を造ってしまう。

とてもじゃないけど、快楽主義者の僕にはまねできないです。

舞台の鳥島は東京のはるか南にある島でアホウドリの繁殖実験のデコイNo22で話題になった島。
Wikipediaでみてみると、陸地からスゲー遠い。
ここまで難破して、さらにはここから脱出しようとする「生きる」執念に燃えた長平に感服しきりの物語。

最後に、無事にそれぞれの村々に戻った漂流者たちの幸せのようなそうでないような結末でもほっと安心させられました。

漂流 (新潮文庫)